2016年 3月12日、東京新宿区のJICA地球広場で「協力隊ケニアOB・OG会」の第1回総会と発足を祝う会が開かれました。

総会では初代の会長にOB・OG会の準備委員会の会長を務めた鈴木忠博氏(昭和42年3次隊ナイロビ 建築設計)が選ばれ、派遣開始から50年を経て、 はじめてケニアで活動したすべてのJICAボランティア約千五百人以上(派遣中のJOCV・短期ボランティア・シニアボランティアを含む)を会員の対象にした OB・OG会の設立となりました。

「協力隊ケニアOB・OG会」では青年海外協力隊のみならずシニアボランティアや短期ボランティアの経験者にも積極的に参加してほしいという方針から、あえて青年海外協力隊という名称を使用せず、「協力隊ケニアOB・OG会」という名称にしたとの趣旨が説明されました。会の正式名称については今後、 各会員からの意見を取りまとめ、次回以降の総会で承認、決定される見込みということです。

また全国に散らばる会員の期待に応えるため、今後は各都道府県のOV組織などを通じて活動を呼び掛ける予定であることも報告されました。

総会の後に行われた「祝う会」には青木盛久 元青年海外協力隊事務局長ご夫妻、橋本栄治元JICAケニア所長らも駆けつけ、 昭和42年3次隊から平成24年3次隊までの帰国隊員約40名が参加して行われました。

会場内ではお互い初対面ではあっても同じウガリを食べた先輩後輩同士はすぐに意気投合し、国際交流イベントでの活動やビジネス、 あるいは研究などの場での会員同士の相互協力についての話にも花を咲かせていました。

来賓のひとり、小川登志夫 現青年海外協力隊事務局長からはケニアで行われた派遣五十周年記念行事の報告のほか、 かつて協力隊訓練所が置かれていたJICA広尾(東京渋谷区)の用地が、隣接する聖心女子大学の校地として買収されることが決まったとの報告がなされました。 事務局長によると「同校のご好意により敷地内に残されている物故隊員を祭った慰霊碑は現状のまま保存され、建物の1階部分に関してもJICAとの協議をもって使用用途を定めたい」との事で、今後どのような形で活用されて行くのか、興味深い話題も提供されました。

「協力隊ケニアOB・OG会 派遣50周年をきっかけに将来につなぐ活動を」鈴木忠博初代会長

私は設立総会に於いて、初代の会長を拝命いたしました鈴木忠博です。

昭和42年3次隊(1968年)建築設計で派遣され、任地はナイロビで業務は住宅省から住宅公団に出向し、建築家として住宅設計と設計監理を担当しました。

当時のケニアは独立して4年目であり、各省庁のトップはケニア人でしたが、その下には英国人がアシスタントとして在籍し、 司法、立法、行政業務の移転をしておりました。そんな中で初期の隊員は活動を開始しておりましたが、 電気等の特殊な仕事に関する資格は英国のライセンスがなければならないという条件のもと資格の習得からのスタートでした。

それから50年が経った現在では、派遣された隊員はシニア、短期を含めて1555人、シニア隊員39人が派遣されています。

準備委員長の要請があり、一昨年8月1日には在日ケニア大使館よりソロモン・マイナ大使、元青年海外協力隊事務局長で駐ケニア日本国特命全権大使であられた 青木盛久様、元JICAケニア所長 熊岸健治様、橋本栄治様をお迎えしてのキックオフミーティングが催され、 これに参加されたOB・OGの方々が設立実行委員となり、3月12日の設立を迎えることとなりました。

これまで、ケニアの帰国隊員には全体のOB・OG会はありませんでしたが、これを機に、現地で活動する隊員のサポートと共にケニアとの友好を深め、 60周年、70周年へと継続して行きたいと考えていますので宜しくお願いします。

1965年(昭和40年)JICA協力隊事業が開始された年、アフリカでは唯一の派遣国としてケニアに3名の隊員が派遣されました。

それから半世紀、多くの隊員がケニアの地で活動し、それは今も継続しています。 その派遣実績は、累計で青年海外協力隊員1555人、シニア海外ボランティア39人となり、派遣人数はマラウイ、フィリピンに次いで第3位となっております。 それはつまり、1500人を超えるケニアからの帰国隊員が日本あるいは国際社会の中で活躍している事になります。

ところが不思議なことに、今までケニアのOB、OGを束ねる組織は設立されませんでした。そこで今回、ケニアOB・OG会設立となった次第です。

会の目的を下記のように定め、今後は帰国したケニアOB、OGの過半数の同意を得て、公式なOB、OGの会を設立すべく活動を行ってゆきます。

【ケニアOBOG会の目的】

1.OB、OG間の連携、交流を深め、発展させる場を提供する

2.ケニアと日本の友好を深めるための活動を推進する

3.ケニアでの経験を日本および世界に還元する活動を支援する